読書会で紹介された本 その11

『読書嫌いのための読書会』in 広島

第11回 が終了しました。


【今回紹介された本】



『ぐりとぐらのえんそく』 なかがわ りえこ (著), やまわき ゆりこ (イラスト)


説明不要の名作絵本です。

ちょっとした驚きがあるにしても、いたって平凡なストーリーなのに、

なぜこんなにも人気があるのか?

1983年の作品がなぜ、長い間読み継がれているのか?

キャラクターに表情がなく、絵に余白が多いのに、子供が絵本の世界に入れるのか?

などについて話し合いました。

朗読した時の日本語のリズム感の良さや、日常の中のちょっとドキッとする体験こそが、時代や世代を超えて多くの人に共感される理由なのではないか、という意見が上がりました。

写真のものは大型本で、びっくりするぐらい大きいのでこれで子供に読み聞かせをしてあげると、面白いと思います。

今回は図書館で借りました。



『日本の最も美しい図書館』 立野井 一恵


日本全国の美しい図書館がずらっと写真で紹介されている本です。

さまざまな建築家が、内部や外観に趣向を凝らしていて、知が保管されている場所を美しくしたいという、彼らの美意識を感じられるでした。

ほとんど行ったことがない所ばかりでしたが、一度行って見てみたいなと思わせてくれる素晴らしい本でした。



『修身論』小林 よしのり


ゴーマニズム宣言で有名な小林よしのりさんの著書。

修身(しゅうしん)とは、「身を修めること」を意味し、第二次世界大戦前の日本の小学校における科目のひとつ。1890年の教育勅語発布から、1945年の敗戦まで存在した。イギリス等の宗教教育や戦後日本の道徳教育に相当するものである。個人主義や自由主義、物質主義の考えが増える中で、いかに不良少年少女を減らすかが課題となった。Wikipediaより引用

日本の「道徳」の前身にあたる科目で、その内容について触れながら、現代の考え方と照らし合わせて取捨選択や再考をしながら、日本の新しい道徳について考えた一冊。

当日参加したメンバー間でも、

道徳とは何なのか?

道徳の授業は必要か?

道徳を習う意味は?

などについて話し合ってみました。



『チロヌップのきつね』高橋 宏幸


戦争の悲惨さを描いた話。

人間の身勝手さが、人間のみならず動物たちにまで影響を与え、救いのないラストが子供ながらにトラウマになるかもしれない作品。

また、日本人がキツネを物語に出す時、北日本と南日本の扱い方の違いについて話し合いました。

北の物語(ごんぎつねや本作品)では、キツネは人間と身近で、何かしら悲しい物語の主人公になりますが、

南の物語(玉藻の草紙や遠野物語)では、キツネは美しい女性に化ける動物として伝えられている傾向があるのではないかという推測で盛り上がりました。



『星の王子さま』サン=テグジュペリ


こちらも説明不要の超有名タイトルなのですが、当日参加したメンバーの誰もが読んだことがない状態で持ち込んでみました。

その場で、3見開きだけを読んで内容を推測し、作者の伝えたいメッセージが何なのかを当てるという実験をしてみましたが、内容が抽象的でかなり難解でした。

それでも…何とか、これが答えじゃないか?

というものを探り出してみましたが、その過程がとても楽しかった。

意見が分かれていて、そのどちらの考え方も面白かったからです。

これは、作品を読み込んでいないからこそ生まれた面白さで、今後もこの「ちゃんと読まない読書」を続けていきたいと思いました。



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