読書会で紹介された本 その14
【今回紹介された本】
『天使なんかじゃない』矢沢 あい
「NANA」で有名な著者の作品。
ということしか知らない私でしたが、真っ直ぐでみずみずしい気持ちを思い出せる作品です。
高校の3年間の日常が当たり前にちゃんと描かれていて、多くの人が共感できる名作です。
男性が抵抗なく読める、数少ない少女漫画の1つだと思います。
あと、紹介者も言っていましたが、年齢を重ねてからも感動できる作品です。
ああ、こんな学生生活を送りたかったなあ~
『ブラックジャック』手塚 治虫
言わずと知れた手塚治虫の医療漫画。
個人的に黒手塚と白手塚が、いい塩梅にマッチしている作品だと思います。
安楽死を生業とするドクター・キリコの存在や、様々な背景を持つ患者たちと向き合いながら、それでも自分の信じた道を進もうとするブラックジャックに心を打たれます。
また、ピノコという恋人であり妻であり娘でもある特殊な少女の存在で、ブラックジャックの人間性がより魅力的に感じられます。
ピノコとの会話ややりとりはこの作品の見どころの1つですね。
ちなみに、8等身のピノコが登場する回もあります。
こんな感じなのに最終回じゃないんですよね。
『COCOON』今日 マチ子
沖縄戦時のひめゆり学徒隊を題材にした漫画。
著者は普段日常をテーマに漫画を描いている方らしく、ものすごく柔らかいタッチでグロテスクなシーンを描写していることが、逆に作品の気味の悪さを際立たせています。
また、この作品では男性が全く描かれておらず、少女たちの世界と戦争が起こっている現実が別次元にあるかのような錯覚をうけます。
戦争の激化と、繭に閉じこもる少女、そしてその少女は繭を破って成長するのか?
気味悪くも不思議な読後感のある面白い作品でした。
『中野本町の家』後藤 暢子, 後藤 文子, 後藤 幸子
夫に先立たれ、混乱と闇を抱え未亡人となった妻の弟は建築家だった。
弟が姉の心情を汲み取り建てた家は、不思議な形をしていた。
姉は2人の娘と20年間そこに暮らし、ついに家を取り壊すことに決めた。
そこに秘められた真意とは?
家と人間の精神のつながりの深さがわかる1冊です。
紹介者も言っていましたが、「怖い」作品でもあります。
ネガティブな感情を表現した家に住み続ける、何かに縛られている感覚がインタビューを通して伝わってきます。
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